プリンターにはプリンタープロファイルが付属しています。
一方、プリンターの個体差や経時変化も補正してカラーマッチングするには、プロファイルを自作します。
ここでは、使っているプリンター専用に自作したプリンタープロファイルと、プリンター付属のプリンタープロファイルがどのくらい違うか、ご紹介します。
自作とプリンター付属のプリンタープロファイルを比較するため、今回使用した方法
使用した機器等
プリンタープロファイルの比較には、以下のような機器等を使いました。
- プリンター: EPSON® EP-4004
- 用紙: EPSON® 写真用紙ライト<薄手光沢>
比較する作業の流れ
専用に自作したプリンタープロファイルと、プリンター付属のプリンタープロファイルについて、以下のような流れで比較しました。
- 元の写真の画像データを用意
- 画像データを、使用中のプリンター専用に自作したプリンタープロファイルを使用してプリンター出力
- 画像データを、使用中のプリンターに付属していたプリンタープロファイルを使用してプリンター出力
- プリンター出力した写真を、スキャナーで、スキャナー付属のスキャナープロファイルを使用して取り込む
- 元の写真の画像データ、自作プロファイルで出力後データ化した画像データ、付属プロファイルで出力後データ化した画像データ、の3点を比較する
自作プロファイルとプリンター付属のプロファイルを比較した結果
専用に自作したプリンタープロファイル、プリンター付属のプリンタープロファイル、の二つを比較した結果は以下のとおりです。
元の写真と、自作プリンタープロファイルで印刷した結果の比較
写真を印刷した後、スキャニングするときにはスキャナー付属のプロファイルを使用しています。
そのため、スキャニング時の誤差によって色や明るさに差はあります。
スキャニングによる誤差を差し引くと、作業に支障のない程度のカラーマッチングが得られています。
元の写真と、プリンター付属のプリンタープロファイルで印刷した結果の比較
写真を印刷した後、スキャニングするときにはスキャナー付属のプロファイルを使用しています。
そのため、スキャニング時の誤差によって色や明るさに差はあります。
スキャニングによる誤差を差し引くと、作業に支障のない程度のカラーマッチングが得られています。
ただ、自作プロファイルを使ったときと比較すると、プリンターの個体差と経時変化の分だけ、リスの毛の色や明るい葉っぱなどで差が出ています。
自作プリンタープロファイルで印刷した結果と、プリンター付属プロファイルで印刷した結果の比較
プリンターの個体差や経時変化の分だけ、見た目の差が出ています。
プリンターメーカー純正紙にプリンター出力する場合
このように、プリンターメーカー純正紙にプリンター出力する場合は、プリンター付属のプリンタープロファイルを使ってもある程度のカラーマッチングは得られます。
しかし、自分のプリンター専用に自作したプリンタープロファイルを使用してプリンター出力した場合の方が、細かい部分でより色が合います。
この若干のカラーマッチングの精度の差を許容できる作業であればプリンター付属プロファイルを使用すれば済みます。
一方、この若干の精度の差でも支障が出てしまう作業を行う場合は、プリンタープロファイルを自作する必要があります。
プリンターメーカー純正紙以外の用紙にプリンター出力する場合
プリンター付属のプリンタープロファイルは、通常はプリンターメーカー純正紙に対応するものしかありません。
そのため、プリンターメーカー純正紙でない用紙を使用して、プリンターメーカー純正紙を使ったときと同じくらいの精度のカラーマッチングが必要なときは、プリンター付属のプロファイルを使用するという選択肢がありません。
そのため、専用のプリンタープロファイルを作成する必要があります。
以上、自分のプリンター専用に自作したプリンタープロファイルと、プリンター付属のプリンタープロファイルがどのくらい違うか、ご紹介しました。
参考記事
プリンタープロファイル作成ツール