インクジェットプリンターなどのカラーマネジメントをするために必要なツールの例を紹介します。
機器などを買うときの参考情報
電子機器の製造には深刻な国際問題も関係しています。
機器を使用する私たちユーザーもそれらの国際問題の当事者の一人です。
物を買う場合は社会的責任を果たしているメーカーや店の製品を選んで、やりがいのある仕事や創作活動をしましょう。
武装勢力や児童労働と関わりのある原料
報道によれば、電子機器などの製造に必要な鉱物には武装勢力の資金源になっている鉱山で生産されたり児童労働につながっているものがあります。
紛争や児童労働などに関わりのない鉱物を使用しているかどうか、製造メーカーがきちんと管理された道筋で原料を調達しているかどうかなどを確認してみましょう。
「メーカー名 + 紛争鉱物」などで検索すると、メーカーの公式サイト内の原料調達に関する取り組みや調査結果の報告のページなどが見つかります。
詳しく取り組みや結果を報告しているメーカーもあれば、報告などはほとんど公開していないメーカーもあります。
参考



参考書籍
以下の本で先進国から他の貧困国へ環境汚染その他の被害が押し付けられ外部化されていることなどが説明されていました。
使用後の壊れた製品の回収
壊れたパソコンのモニターなどは法律に従ってPCリサイクルや小型家電リサイクルなどに、その他の壊れた電子機器も法律に従って小型家電リサイクルなどに出したりして再資源化します。
パソコンやモニターの場合なら「メーカー名 + PCリサイクル」などで検索すると各メーカーの回収・再資源化の申込や回収率の報告書などのページが見つかります。
分かりやすくていねいに説明しているメーカーもあれば、そうでもないメーカーもあります。
プリンターのカラーマネジメントの方法
インクジェットプリンターなどのプリンターは、そのプリンターで何らかの用紙に印刷した結果を調べてカラープロファイルを作り、そのカラープロファイルを使うことでカラーマネジメントができます。
例えばEPSONのプリンター EP-4004 で、EPSON写真用紙<絹目調>に印刷するとしたら、EP-4004でEPSON写真用紙<絹目調>にカラーチャートを印刷した結果を調べてプリンター出力用のカラープロファイルを作っておきます。
写真などをEP-4004でEPSON写真用紙<絹目調>に印刷するとき、あらかじめ作っておいたEP-4004とEPSON写真用紙<絹目調>の組み合わせのプリンター出力用のカラープロファイルで補正して印刷するとカラーマネジメントシステムの仕組みにより正確な印刷ができます。
カラープロファイルはプリンターに付属しているものもある
例えばEPSONのプリンター EP-4004を買ったとしたら、EP-4004でEPSON写真用紙クリスピアやEPSON写真用紙<絹目調>などの主なEPSON純正紙に印刷するためのカラープロファイルが付属しています。プリンタードライバーをパソコンにインストールするとプリンター出力用のカラープロファイルもパソコンにコピーされたりします。
カラープロファイルは用紙ブランドのサイトでダウンロードできるものもある
ハーネミューレやイルフォードやCansonなどの高級プリンター用紙の場合、主な機種のプリンターと各用紙の組み合わせに対するプリンター出力用のカラープロファイルを公式サイトでダウンロードできるようになっていることもあります。
カラープロファイルが無いか、精度を高めたい場合は自分で作る
自分が持っているプリンターとこれから使う予定の用紙の組み合わせに対するプリンター出力用のカラープロファイルがプリンターメーカーからも用紙ブランドからも提供されていないときは、カラープロファイルを自分で作るしかありません。
また、プリンターも半年や1年経てば特性が少しは変化してくるので、できる限り高い精度でカラーマネジメントをしたい場合はプリンター出力用のカラープロファイルを定期的に自分で作る必要があります。
以下はプリンター出力用のカラープロファイルを作るツールの例です。
インクジェットプリンターから、ある程度正確な色で出力したい場合
一般的なインクジェットプリンターの多くはRGBプリンターという分類のプリンターなので、RGBプリンターのプリンタープロファイルが作成できるツールを使用してカラーマネジメントができます。
Calibrite ColorChecker Studio
Calibrite ColorChecker Studio でインクジェットプリンター用のカラープロファイルを作成できます。
一般的なインクジェットプリンターなどのRGBプリンターのカラープロファイルの他に、レーザープリンターなどのCMYKプリンターのカラープロファイルも作成できます。
印刷業界などで使っているような機種ではカラープロファイル作成のために1000〜2000パッチくらいのカラーチャートを出力したりしますが、ColorChecker Studio はカラーチャートのパッチの数がそういった機種よりはかなり少なめです。
ColorChecker Studioにはモニターキャリブレーション機能もあり、ColorChecker Studioがあれば普通のモニターのソフトウェアキャリブレーションができます。またColorChecker StudioはEIZO ColorEdge CS2400RやCS2400Sなどの外付け測色器としても使用できます。
Calibrite ColorChecker StudioはX-Rite i1Studioの後継機です。
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参考記事


datacolor SpyderPrint
datacolo SpyderPrintはRGBプリンターのカラープロファイルを作成できるツールです。一般的なインクジェットプリンター用のカラープロファイルを作成できます。
レーザープリンターなどのCMYKプリンターのプロファイルは作成できません。
※写真作品をプリントしたりオフセット印刷の色校正を出力したりするときに使われている一般的なインクジェットプリンターの多くはRGBプリンターとう分類のプリンターですが、溶剤を使った産業用のインクジェットプリンターなどでCMYKプリンターのインクジェットプリンターもあります。
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参考記事

datacolor Spyder PrintStudio
datacolor Spyder PrintStudio はプリンタープロファイル作成ツールSpyderPrintとモニターキャリブレーションツールSpyderProなどがセットになった製品です。
SpyderPrintはRGBプリンターのカラープロファイルを作成できるツールです。一般的なインクジェットプリンター用のカラープロファイルを作成できます。
レーザープリンターなどのCMYKプリンターのプロファイルは作成できません。
※写真作品をプリントしたりオフセット印刷の色校正を出力したりするときに使われている一般的なインクジェットプリンターの多くはRGBプリンターとう分類のプリンターですが、溶剤を使った産業用のインクジェットプリンターなどでCMYKプリンターのインクジェットプリンターもあります。
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datacolor Spyder X2 PrintStudio
datacolor Spyder X2 PrintStudio はプリンタープロファイル作成ツールSpyderPrintとモニターキャリブレーションツールSpyder X2 Ultraなどがセットになった製品です。
SpyderPrintはRGBプリンターのカラープロファイルを作成できるツールです。一般的なインクジェットプリンター用のカラープロファイルを作成できます。
レーザープリンターなどのCMYKプリンターのプロファイルは作成できません。
※写真作品をプリントしたりオフセット印刷の色校正を出力したりするときに使われている一般的なインクジェットプリンターの多くはRGBプリンターとう分類のプリンターですが、溶剤を使った産業用のインクジェットプリンターなどでCMYKプリンターのインクジェットプリンターもあります。
メーカーのページ
旧製品
Datacolor SpyderX Studio
SpyderX Studioは、プリンタープロファイル作成ツールSpyderPrintとモニターキャリブレーションツールSpyderX Eliteなどがセットになった製品です。
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販売終了になったツール
X-Rite i1Studio アイワン・スタジオ(販売終了)
X-Rite i1Studio( アイワン・スタジオ)でインクジェットプリンター用のカラープロファイルを作成できます。
一般的なインクジェットプリンターなどのRGBプリンターのカラープロファイルの他に、レーザープリンターなどのCMYKプリンターのカラープロファイルも作成できます。
印刷業界などで使っているような機種ではカラープロファイル作成のために1000〜2000パッチくらいのカラーチャートを出力したりしますが、ColorChecker Studio はカラーチャートのパッチの数がそういった機種よりはかなり少なめです。
i1Studioはモニターキャリブレーションの機能なども含みます。
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参考記事

インクジェットプリンターから、高い精度で正確な色で出力したい場合
一般的なインクジェットプリンターの多くはRGBプリンターという分類のプリンターで、RGBプリンターのカラープロファイルを作成できるツールを使用してカラーマネジメントを行えます。
X-Rite i1Publish Pro 3
X-Rite i1Publish Pro 3(アイワン・パブリッシュ・プロ3)はテストチャートのパッチも自由に変えられ、高い精度のRGBプリンターやCMYKプリンターのプロファイルが作成できるツールです。
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生産終了・販売終了になった機器
X-Rite i1Photo Pro 3(生産終了)
X-Rite i1Photo Pro 3(アイワン・フォトプロ 3)はテストチャートのパッチも自由に変えられ高い精度のRGBプリンターのプロファイルが作成できるツールです。
レーザープリンターなどのCMYKプリンターのプロファイルは作成できません。
※写真作品をプリントしたりオフセット印刷の色校正を出力したりするときに使われている一般的なインクジェットプリンターの多くはRGBプリンターとう分類のプリンターですが、溶剤を使った産業用のインクジェットプリンターなどでCMYKプリンターのインクジェットプリンターもあります。
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X-Rite i1Photo Pro 2(販売終了)
X-Rite i1Photo Pro 2(アイワン・フォトプロ 2)はテストチャートのパッチも自由に変えられ、高い精度のRGBプリンターのプロファイルが作成できるツールです。
メーカーのページ
参考記事


レーザープリンターなどのCMYKプリンターのカラーマネジメントをしたい場合
一般的なLEDプリンターやレーザープリンターや一部の特殊な産業用のインクジェットプリンターなどのCMYKプリンターという分類のプリンターは、CMYKプリンターのカラープロファイルが作成できるツールを使用して一応カラーマネジメントをできます。
LEDプリンター・レーザープリンターなどのカラーマネジメントを行う場合、カラーマネジメント機能付きのLEDプリンター・レーザープリンターを使い、プリンターやRIPに備わっているカラーマネジメント機能を使ってカラーマネジメントを行う場合が多いかもしれません。
また、溶剤を使った産業用のインクジェットプリンターなどの特殊なインクジェットプリンターのカラーマネジメントを行う場合、プリンターメーカーが用意しているカラーマネジメントソフトなどを使ってカラーマネジメントを行う場合が多いかもしれません。
Calibrite ColorChecker Studio
Calibrite ColorChecker Studio でCMYKプリンター用のカラープロファイルを作成できるので、LEDプリンター・レーザープリンターなどのCMYKプリンターのカラープロファイルを作成できます。
印刷業界などで使っているような機種ではカラープロファイル作成のために1000〜2000パッチくらいのカラーチャートを出力したりしますが、ColorChecker Studio はカラーチャートのパッチの数がそういった機種よりはかなり少なめです。
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参考記事


X-Rite i1Publish Pro 3
X-Rite i1Publish Pro 3(アイワン・パブリッシュ・プロ3)はテストチャートのパッチも自由に変えられ、高い精度のRGBプリンターやCMYKプリンターのプロファイルが作成できるツールです。
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補足 実際は、レーザープリンターなどはプリンタープロファイルだけで色管理するのは難しい
レーザープリンターなどは一般的なインクジェットプリンターと比べると不安定で色管理が難しいです。
普通のプリンタープロファイルだけで色補正をしようとすると、短時間で何度もプロファイルを作り直さなければならないかもしれません。
そのため、一般的なインクジェットプリンターと同じようにプリンタープロファイルを作ってレーザープリンターの色管理を行うのは大変です。
LEDプリンター・レーザープリンターなどのカラーマネジメントを行う場合はカラーマネジメント機能付きのLEDプリンター・レーザープリンターを使い、プリンターやRIPに備わっているカラーマネジメント機能を使ってカラーマネジメントを行うというケースが多いかもしれません。
プリンタープロファイルは通常通り作ってプリンターのRIPなどに登録しておき、プリンターに備わっているキャリブレーション機能を使って半日に一回などキャリブレーションを行なったりして色管理をします。
※RIP(Raster Image Processor)は、おおまかに言えば送られてきたデータからプリンター出力用のCMYKの各版を作る装置です。
※プリンターに備わっているカラーマネジメント機能を使う場合でも測色器は別途必要かもしれません。
オフセット印刷などのプロファイルを作成したい場合
オフセット印刷はCMYKプリンターとみなせるので、CMYKプリンターのカラープロファイルを作成できる機器でオフセット印刷のカラープロファイルを作成できます。
X-Rite i1Publish Pro 3
X-Rite i1Publish Pro 3(アイワン・パブリッシュ・プロ3)はテストチャートのパッチも自由に変えられ、高い精度のRGBプリンターやCMYKプリンターのプロファイルが作成できるツールです。
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X-Rite i1Publish Pro 3 Plus
X-Rite i1Publish Pro 3 Plus はテストチャートのパッチも自由に変えられ、高い精度のRGBプリンターやCMYKプリンターのプロファイルが作成できるツールです。
i1Publish Pro 3 より少し用途が広いです。
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販売終了のもの
i1Publish Pro 2(アイワン・パブリッシュ・プロ2)(販売終了)
テストチャートのパッチも自由に変えられ、高い精度のCMYKプリンターのプロファイルが作成できる、i1Publish Pro 2(アイワン・パブリッシュ・プロ2)という製品があります。
メーカーのページ
オフセット印刷のカラープロファイルはRIPなどの付属機能を使って作る場合も多い
i1Publish Pro3などでオフセット印刷のカラープロファイルは作れます。
この他、印刷会社が使っているRIP(網点の版を作るソフト、装置)やその周辺の機器の機能を使ってカラープロファイルを作る場合も多いです。
オフセット印刷用のRIPは様々な機能を持っていることが多く、またオプションで色管理用の別ソフトがあったりします。
そういった機能の中にカラープロファイルを作る機能も含まれ、それを使ってプロファイルを作成している場合も多いと思われます。
その他
MYIRO
インクジェットプリンターやオフセット印刷やその他のカラーマネジメントを行えると思われるコニカミノルタの関連のMYIROというツールがあります。
メーカーのサイト
以上、プリンターのカラーマネジメントに必要なツールの例でした。
参考記事




