バライタ紙を再現し、光沢があり、コットン100%のHahnemühle/ハーネミューレの写真向き高級インクジェット用紙にPhoto Rag® Baryta/フォトラグバライタがあります。
フォトラグバライタはどのようなインクジェットペーパーか見てみます。
フォトラグバライタはハーネミューレの高級インクジェット用紙
Photo Rag® Baryta/フォトラグバライタは、Hahnemühle/ハーネミューレの作品用高級インクジェット用紙の「グロッシーファインアート」シリーズの用紙の内の一つです。
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メーカーのカタログによる主な特徴
材質 コットン100%
紙は繊維を集めて漉いて平らにしたものです。草の繊維、布の繊維、木の繊維など、繊維がたくさんあれば紙を作れます。
よって繊維でできている綿・コットンからも紙を作れます。
現在は木の繊維を使って大量に紙を生産していますが、アジアでもアジア以外の地域でも、昔からぼろ布や草などから繊維をとって紙を作っていました。
「フォトラグバライタ」は昔ながらの紙の原料であるコットンから作った紙です。
写真のプリント向きの高級インクジェット用紙にはコットン100%の用紙がよくあります。
バライタフォトペーパーの質感を再現
バライタ紙は現在一般的なRCペーパー(レジンコート紙)の印画紙が普及する前に使われていた印画紙です。RCペーパーが普及してバライタ紙の需要は減少したものの、高級印画紙として使われ続けました。
現在も写真のプリント向きの高級インクジェット用紙などでバライタタイプの印画紙を再現した用紙が作られています。
「フォトラグバライタ」はバライタ紙の質感を再現した用紙です。
無酸性 アシッドフリー
現在一般的に売られている紙はほとんどが中性紙であり酸性ではありませんが、短期使用する紙と違い長期保存に耐えるためには一般的な紙以上に無酸性であることは重要です。
高級インクジェット用紙には、長期保存に耐えるようアシッドフリーと明記された用紙がよくあります。
「フォトラグバライタ」はアシッドフリーと明記された無酸性の紙です。
蛍光増白剤無添加
蛍光増白剤は光のうち特定の波長を吸収し、青い光に変えて照射するような物質で、蛍光増白剤を使用すると紙が青白く見えて見た目の白さが増します。
しかし紙や、紙に印刷した色の安定性は落ちます。
「フォトラグバライタ」は蛍光増白剤を使用しない紙であるため、年月が経っても色の安定性が高いです。
実際に見た雰囲気、プリンター出力の例
厚さなど
フォトラグバライタは厚さ0.43mm、坪量315g/m2です。
EPSON®の写真用光沢RCペーパーの写真用紙クリスピア<高光沢>が厚さ0.30mm、坪量300g/m2、写真用紙<光沢>が厚さ0.27mm、坪量255g/m2です。
フォトラグバライタは一般的なRCペーパーの写真用光沢紙と比べて厚さは厚く、密度は低めの用紙です。
厚さの雰囲気としては一般的な画用紙と同じか少し薄いくらいの厚さです。(画用紙と言っても色々な厚さのものがあるので、あくまで大雑把な雰囲気です。)
表面の様子
表面はわずかな細かいテクスチャー感があり、光沢があります。
ファインアートバライタと似ている
フォトラグバライタはファインアートバライタとかなり似ている用紙です。
材質が異なります。「フォトラグバライタ」はコットン100%の紙で、「ファインアートバライタ」は一般的な紙と同じαセルロースの紙です。
蛍光増白剤の使用の有無も異なります。「フォトラグバライタ」は蛍光増白剤不使用ですが、「ファインアートバライタ」は蛍光増白剤が少し入っています。
参考記事
インクジェットプリンターで印刷した時の色域の一例
フォトラグバライタは一般的なRCペーパーの写真用光沢インクジェット用紙に近いくらい広い色域で印刷できます。
フォトラグバライタに写真をプリントする場合
インクジェットプリンターでフォトラグバライタを使用する場合、厚い用紙で多少反りがある場合もあるのでプリントヘッドが用紙に接触しやすく注意が必要です。
また、インクジェットプリンター出力全般に言えることですが、単純にプリンター出力を行うとモニターの表示と比べて鮮鋭さが下がりわずかにボケた状態に見えてしまうことも多いです。モニターの表示と近い鮮鋭さで出力するためには画像データに対し多少の処理が必要です。
フォトラグバライタに写真をプリントする場合で、事務所や家庭のプリンターで出力が困難な場合は、当事務所のプリントサービスへご依頼頂けますと幸いです。
以上、フォトラグバライタはどのようなインクジェットペーパーか見てみました。
参考