※この記事はCS230が発売されていた頃のものです。現在はCS230は製造終了になり、CS2410など後継の機種が発売されています。
カラーマネジメントモニターを買うとき、それほど多機能で高価なものでなく、必要最低限の機能を満たした機種をできるだけ安く購入したいという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、カラーマネジメントモニターとして十分な基本機能を満たしていて、かつ高すぎないおすすめのディスプレイをご紹介します。
現在はCS2400Rが発売中
現在はCS230は製造終了となり、CS2400Rという機種が発売されています。
参考記事
機器などを買うときの参考情報
電子機器の製造には深刻な国際問題も関係しています。
当然ながら、機器を使用する私たちユーザーもそれら国際問題の当事者の一人です。
仕事や創作活動などを意義あるものにするため、物を買う場合は社会的責任を果たしているメーカーや店の製品を選びましょう。
武装勢力や児童労働と関わりのある原料を使っていないかどうか
報道によれば、電子機器などの製造に必要な鉱物は武装勢力の資金源になっている鉱山で生産されたり、児童労働につながっているものもあるということです。
参考
華井和代「紛争下の性暴力の構造と日本の取り組み」ーデニ・ムクウェゲ医師来日講演会:平和・正義の実現と女性の人権
デニ・ムクウェゲ「コンゴ東部における性暴力と紛争鉱物(日本語字幕)」ーデニ・ムクウェゲ医師講演会2016
【アムネスティ】スマートフォンに隠された真実:あなたのケータイ、「児童労働」につながっていませんか?(日本語字幕付※設定をONにしてください)|アムネスティ日本
参考リンク
参考書籍
「人新生の「資本論」」で先進国から他の貧困国へ環境汚染その他の被害が押し付けられ外部化されていることが説明されていました。
電子機器などを購入する場合、紛争や児童労働などに関わりのない鉱物を使用しているかどうかなど、製造メーカーがきちんと管理された道筋で原料を調達しているかどうかを確認すると良いでしょう。
ウェブサイト等で原料調達に関する取り組みについて記載し、調査結果などを公開しているメーカーもあります。
使用後の製品の回収について説明されているかどうか
物が壊れたら、パソコンやPCモニター等ならPCリサイクルなどに出す、その他の電子機器なら小型家電リサイクルなどに出す、というように法律に従って回収に出す必要があります。
メーカーによっては使用後の機器の回収方法を分かりやすく説明したり、分かりやすい回収申し込みフォームを用意したりしています。
一方、使用後の機器の回収について丁寧とは言えない説明しか載せていないメーカーもあります。
きちんと回収して持続可能な事業活動をしようとしているまじめなメーカーを選びましょう。
カラーマネジメントモニターに必要な機能
基本の機能
データの色を正確に表示し、プリンターなど他のデバイスとの間のカラーマッチングも問題なく行うため、カラーマネジメントモニターに必要な機能は以下の通りです。
- ハードウェアキャリブレーションが正確に行える
- 表示可能な色域がsRGBの色域をカバーしている
この2点を満たしていればディスプレイを頼りにした写真・グラフィック作成の作業も、プリンターなどのデバイスとのカラーマッチングも問題なくできます。
これら2点の内容は信頼出来るメーカーからカラーマネジメントモニターとして販売されているモニターで満たしていないものはほぼありません。
再現可能な色域について
現在は「AdobeRGBの色域をカバーしている」と宣伝しているディスプレイが市場にたくさんあります。
しかしsRGBの色域がカバーされていればそれほど問題ありません。
ディスプレイが表示可能な色の範囲がsRGB程度であることと、データがAdobeRGBであることとは別な問題です。
sRGBまでしか表示できないモニターであっても、AdobeRGBの色域のデータを扱えます。
ディスプレイで表示可能な色域よりデータの持つ色域の方が広い場合、見た目に目立たないよう色域が圧縮されて表示されます。
カラーマネジメントという技術にはそのような仕組みが含まれています。
ディスプレイで表示可能な色域がsRGBで、一方ディスプレイとカラーマッチングを行いたいプリンターなどのデバイスの色域がsRGBより広くても、それほど問題ではありません。
プリンター出力時には、パソコンから色の情報が直接プリンターに送られるため、ディスプレイの色域の影響は受けないからです。
異なる色再現域を持つデバイスとの間で色を渡して行くためにあるのがカラーマネジメント技術というものです。
参考記事
その他の機能
信頼のおけるメーカーのカラーマネジメントディスプレイなら、内部で実際の表示色より多い色数で計算を行う、画面の明るさと色のムラを軽減する、などの機能があり、高い画質と高い精度のキャリブレーションが実現できるようになっています。
おすすめのカラーマネジメントモニター
以上のことから、sRGBの色域をカバーしているEIZO® ColorEdge® CS230がオススメです。
キャリブレーションの精度、画質など、基本的な写真の作業に申し分ありません。
現在はCS230は製造終了となり、CS2410という機種が発売されています。
販売終了
参考記事
EIZO ColorEdge CS230 〜色域sRGBの製品〜
ColorEdge CS230-CN (ColorNavigator付属)
CS230-CNは測色器が付属していないため、別に外付けカラーセンサーが必要です。
参考記事
パソコンのディスプレイの廃棄方法について 〜資源有効利用促進法に基づいて〜
カラーマネジメント対応ディスプレイを購入する場合、今までのディスプレイを廃棄する必要が出てくるかもしれません。
液晶ディスプレイを廃棄する場合、国内の信頼できるルートで再資源化などの処理がされるようにしなければなりません。
これはカラーマネジメント対応ディスプレイ選びよりも、もっと重要な話といえます。
引き取りを依頼する先を間違えると、国際法に違反して海外へ輸出され、適切に再資源化もされないまま現地で甚大な環境汚染や健康被害を引き起こすということになる恐れがあります。
そのような事態はすでに進行し、事態はかなり深刻で、もう待ったなしの状況です。
そういう事態に私たちも知らないうちに加担しているとすれば、一方の人々を酷い目に合わせながら写真やグラフィックを美しく仕上げたとしても何の意味があるだろう、ということになってしまいます。
参考記事
以上、カラーマネジメントモニターとして十分な基本機能を満たしていて、かつ高すぎないおすすめのディスプレイをご紹介しました。
参考記事