カラーマネジメントにおいて、部屋の照明の管理は結構面倒です。
簡易的な照明環境を整えて済ます場合もあるでしょう。自分の作業環境は整えても、お客様の事務所の光源については不確かなこともあるでしょう。
ここでは、照明の光がどのくらい色の観察に適しているか演色性や色温度などを確認できるツールをご紹介します。
光源は、演色性が高く、色が希望の色であれば良い
照明の光が色の観察に適しているかどうかは何で決まるのでしょうか。
簡単にいうと以下の点を満たしているかどうかで決まります。
- 演色性が十分高い
- 基準に決めた色をしている
演色性が十分高い
人間は長年太陽の光のもとで生きてきたので、理想の光は太陽の光とされています。
太陽の光は色々な波長の光がたくさん含まれています。
一方、演色性の低い照明光は何種類かの波長の光は含まれていても、他の波長の光は少ししか含まれていなかったりします。
色々な波長の光がどれも十分に含まれていないと、太陽の光の下で見たときの色とは違う色で見えてしまいます。
よって、照明の光は色々な波長の光が十分に含まれているもの、すなわち演色性が高いものが理想です。
基準に決めた色をしている
演色性が高い理想の光である太陽の光でも、昼間の色と夕方の色は違います。
そのように、同じ演色性の高い光でも、色々な色の光があります。
そこで、たいてい色を観察するときはどういう色の光で見るか基準を決めます。
光の色は色温度で表現することが多いです。
たいていは色温度5000Kか6500Kを基準に使います。
簡易的に照明の光の質を確認するツール
照明の光が、色を観察するのにどのくらい適しているかを簡易的に確認できるツールに以下のようなものがあります。
PANTONE® LIGHTING INDICATOR Stickers
色のチップが二つの部分に分かれていて、光の質が十分高ければ同じ色に見え、低ければ色が違って見えるというものです。
40チップセットになっているので、特色インクのチップのように切って色校に貼ったりもできます。
お客様が色校などを見るときに、照明の色に問題があるかどうかを確認できるので便利です。
約5000Kを基準としているときに使えるD50用、約6500Kを基準にしているときに使えるD65用があります。
光源D50用の製品
照明の光がD50の基準に近いかどうかを調べるツールです。
光源D65用の製品
照明の光がD65の基準に近いかどうかを調べるツールです。
ライティング・インジケーター その他の販売店
PANTONE® STORE JAPAN
以下のパントン オフィシャル オンラインショップで購入できます。
PANTONE® Color Resources P.J
以下のPANTONE®社の日本総代理店が運営するショップ&ショールーム「PANTONE® ColorResourceP.J」で購入できます。
類似のツール 光源の演色性検査カード(株式会社カラープランニングセンター)
色票が二つあり、光の質が十分高ければ同じ色に見え、低ければ色が違って見えるというものです。
約5000Kを基準としているときに使えるD50用、約6500Kを基準にしているときに使えるD65用があります。
売っている場所 株式会社カラープランニングセンターのウェブサイト
株式会社カラープランニングセンターのウェブサイトで注文方法が案内されています。
以上、照明の光がどのくらい色の観察に適しているか演色性や色温度などを確認できるツールをご紹介しました。
参考記事